『不思議の達人(上)』ヒラヤマ探偵文庫16

クリックで画像を表示
お一人様一冊まで
「不思議の達人(上)」
著者:ジェレット・バージェス
訳者:平山雄一
発行:ヒラヤマ探偵文庫
価格:2,500円
判型:新書判
刊行:2021年11月

原書は24編収録しているので、今回は半分の12編と、平山が書いた研究を収録しました。下巻は来年春に出版予定です。

著者ジェレット・バージェス(Gelett Burgess 一八六六〜一九五一)はアメリカのユーモア作家である。マサチューセッツ工科大学を卒業後、いくつかの職を経た後、カリフォルニア州立大学バークレー校の地形学の教授となった。しかし一八九四年に禁酒主義者が建設した水飲み場を破壊する事件が起き、バージェスの関与が疑われたために大学を退職、文筆活動にはいった。  彼の作品はほとんど日本には紹介されていないが、唯一の例外が「不思議の達人」(一九一二)と題する短編集だ。今までに二作品が邦訳されている。  これは東洋の預言者と自称するアストロが、ニューヨークでさまざまな事件を解決する短編探偵小説シリーズで、超能力を用いているふりをしているが、実は東洋人でも超能力者でもなく、合理的で科学的な推理をアメリカ人の主人公がしているのである。ワトスン役は秘書で恋人のヴァレスカで、二人の恋の行方も同時に語られる。