書籍名:『彩色ある夢の破片』著 者:石野重道サイズ:A7版(中綴じ・72頁)発行部数:150部 価 格:700円(税込) 発売日:2015年7月25日(土)【収録作品】・序曲・リリー・星・キヤツピイと北斗七星・カマキリの話・壊れた夢・不思議な戸についての話・如何にして、その男と、主人の目が、三角になつたか?と、云ふ話・サンカクになつてしまつたO・口笛・聳ゆる宮殿・白馬の王・煌めける門・赤い作曲・キイロい覆面の曲者・夜・ヴアイオリストと、三角・ソローと湖畔・不意の大軍・モル博士と、その町・無頼漢とボール紙・怒れる人・B街に起つた事・忘人・気まぐれな紳士・蒼い星と少年
今回刊行する『彩色ある夢の破片』は、石野重道が私家版として大正12年刊行した『彩色ある夢』(序文・佐藤春夫、装丁・稲垣足穂)を部分的に復刻するものになります。
『彩色ある夢』は、抒情的なもの、未来派的なモダンなものが混在した、特異な作品。本書に収録された「廃墟」は、稲垣足穂自身の回想にもあきらかにされていますが、稲垣足穂「黄漠奇聞」の粗筋を聞かされた石野重道が、まま「廃墟」という作品にしあげ、あとから稲垣足穂はこの「廃墟」を参考にしながら「黄漠奇聞」を執筆したというエピソードがあります。
また、ロード・ダンセイニ「光の門」を参考にしたと思われる「煌めける門」や、アーサー王伝説に取材した「不意の大軍」も収録されています。稲垣足穂文学を考えるうえでも貴重な1冊であり、モダニズム文学・幻想文学を研究するうえでも外せない一冊です。
※2016年6月5日追記
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