「完訳版・秘中の秘」ヒラヤマ探偵文庫05

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お一人様一冊まで
ヒラヤマ探偵文庫05
「完訳版・秘中の秘」
著者:ウィリアム・ル・キュー
訳者:平山雄一
発行元:ヒラヤマ探偵文庫
発行年月:2019年11月
価格:2500円


江戸川乱歩は『探偵小説四十年』の中で、こう述べている。

そのころ、大阪毎日新聞に菊池幽芳訳の「秘中の秘」が連載され、これが非常にサスペンスのあるミステ リ小説で、母の好みにも叶い、私は毎日その挿絵を見ながら、母の話を聞くのを、こよなき喜びとしていた。 「秘中の秘」の原作が何であるか、まだ調べていないが、古い型の怪奇探偵小説として可なり面白いもので、 初めてそういう味に接した私を、夢中にさせるには十分であった。(『探偵小説四十年1』江戸川乱歩、講談社 文庫、一九八七年、一八ページ)

このたびその原作が判明したので、急遽訳出出版となった。乱歩の原点を知るには欠かせない一冊である。

原著者ウィリアム・ル・キュー(一八六四~一九二七)は、イギリスのスパイ小説および探偵小説家であり、当 時はエドガー・ウォーレスやE・フィリップス・オップンハイムらと並んでベストセラー作家として知られていた。 邦訳は大正時代から前が多いが、昭和になってからではたとえば、『密偵の告白』(森下雨村訳、博文館、一九二九)などがある。